子どもの恥ずかしがり屋、あえて治さないという選択肢
子どもが家の中では元気でお喋りなのに、外に出ると途端にシャイで恥ずかしがりやな子になってしまう事はありませんか?そういった反応に親なら誰でも少しは心配になってしまうものですよね。しかし、恥ずかしがり屋なことは何も悪いことではありません。むしろ良いこともたくさんあります。そんな子どもの恥ずかしがり屋について、今回は解説していこうと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
この記事は、20年以上サッカー指導をしてきた私の経験や知識を基に執筆しています。10人の子どもがいれば人数の分だけ育成方法が変わります。だからこそ保護者や指導者たちが正しい知識を身に付け子どもたちと接する必要があります。本サイトを上手く利用しながら大人とは何かを一緒に学んでいきましょう。
■ 恥ずかしがり屋の原因は?
まずは子どもが恥ずかしがり屋さんになる原因について解説していきます。
原因は2つあります。
① 遺伝
1つ目は遺伝です。人間は親から4種類の性質のどれかを引き継ぐといわれています。
- 「いつも機嫌がいいタイプ」
- 「神経質なタイプ」
- 「新しいことに取り掛かるのに時間がかかるタイプ」
- 「上の3つ全てを併せ持つタイプ」
以上の4つです。恥ずかしがり屋は「神経質なタイプ」に当てはまり、考えすぎてしまい行動できないといった心理が隠れています。
② 環境
2つ目は環境です。
例えば、親に「もっとお友達とおしゃべりしなさい」と言われても、子ども自身喋った方がいいことは理解しています。しかし、(嫌われたらどうしよう…)(自分が喋って大丈夫かな…)といった気持ちや考えから、タイミングを逃してしまうのです。また、親からの言葉をプレッシャーに感じてしまい、恥ずかしがり屋に拍車がかかってしまう可能性もあります。
■ 恥ずかしがり屋の長所
恥ずかしがり屋であることは子どもの個性であり、長所であると言えます。その根拠を2つご紹介します。
① 慎重である
恥ずかしがり屋さんは、物事をよく考えて行動しています。自分が行動した後の未来で、どういった変化が起こるのか、発言した後、周りの人にどう思われるのかを常に予測して考えられる賢さがあります。今はまだ行動や発言してもいいラインを見極められていないだけで、成長すれば先のことを考えられる力は必ず武器となります。
② 気配りができる
また、よく周りを見ていることも特徴的です。恥ずかしがり屋さんは新しい環境や人間関係が苦手です。しかしそれは裏を返せば、変化に敏感だということです。新しいことに対する不安がそれをよく知ろうとする観察に繋がります。おとなしい子に優しい子が多いのは周りをよく見て、気配りする事ができるのも理由の1つでしょう。
■ 親が取ってはいけないNG行動
周りの子と比べる
「なんで○○くんみたいに他のお友達とお喋りできないの!」といった他の子と比較するのはNGです。より自信を失ってしまい、恥ずかしがり屋ではなく、消極的な子になってしまう可能性もあります。言ってしまっているならすぐにやめましょう。
子どものタイミングを乱さない
挨拶や友達の中に入っていくのでも、子どもには子どものタイミングがあります。親が「早く行きなさい」と急かしたくなる気持ちも分かりますが、子どものためにもグッとこらえましょう。自分から行動できる機会を奪ってはいけません。
■ 恥ずかしがり屋の治し方
恥ずかしがり屋の正体とはつまり、「新しいことに対する不安や恐怖」です。それが何なのか知らない、分からないことを心配しているのです。なので治し方はシンプルです。
ズバリ、慣れてしまうことです。
幼稚園や小学校に最初は抵抗があった子も、毎日通っていれば次第に拒否反応が薄くなっていきますよね。同じ原理で、継続して人前に立つことや友達に話しかけることで慣れてしまえばOKです。方法は近所の人と遊ぶことや、習い事を始めるなど何でも大丈夫です。知らない状態→知っている状態にできれば、子どものタイミングでアクションを起こせるようになるでしょう。
■ 恥ずかしがり屋を治さない選択肢
恥ずかしがり屋の長所でもお伝えしたように、未来を予測して考えられる、気配りができるという個性は生まれ持った素晴らしいものです。多くの親が内気な性格より活発になってほしいと子どもに願うものですが、内気で成功している人間は数多くいます。今では誰もが持っているスマホ、その生みの親であるスティーブ・ジョブズも内向的な子どもでした。友達とスポーツをするよりも家にこもって実験に明け暮れていたようです。恥ずかしがり屋なことは他人から見れば弱点に見えるかもしれませんが、考え方を変えれば、その子の生まれながらの才能と捉えることもできます。子どもの個性を輝かせるため、あえて恥ずかしがり屋を治さない選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。